毎度お世話になっております。EXCY FORMAL NEWS編集部の山佑です。
さて今回のブログは、前回に引き続き、オーダータキシード(スーツ)における注意点をお伝えする第2回目となります。
1回目である”その壱”では、オーダーをどのように取っていくかをタイプ別にご説明させていただき、ゲージ=見本服の作成の仕方についてご提案させていただきました。
今回は、いよいよ採寸(寸法を採る)の仕方と注意点、また出来上がりのスーツの測り方などをお伝えさせていただき、少しでもオーダー障壁を低くしていただき、オーダーに挑戦していただければ光栄でございます。
それでは、早速行ってみましょう!!
と、いざ採寸する前に、まずは道具をご用意しましょう。
◆採寸道具◆
-メジャー
メジャーリングというくらいですから、まずはメジャーですよね。
メジャーもいろいろな種類がありまして、
先端に金具が付いており、ゼロ発進と言われる、先頭に余白がなく先っぽから測れるメジャーです。
こちらが先程のゼロ発進と比べて、先端に余白があるタイプです。
一般的にはゼロ発進のメジャーをご使用になれる方のほうが多いかな、と思いますが、ゼロ発進には1点注意点があります。
それは、袖丈を測るときに袖山にしっかりと先端を合わせないといけないので、しっかりと抑えないとズレてしまう点です。余白があれば抑えるときに楽ですね。
*後述します、出来上がりのスーツの寸法を測る項目(袖丈編)をご覧いただくとわかりやすいと思います。
また、同じゼロ発進でも、
でしたり、
のようなアクセントのあるメジャーをお使いになられるショップ様も多くいらっしゃいますね。
-ピンクッション
採寸の際は、こちらのメジャー1本あれば大丈夫ですが、ゲージを使用して採寸される場合は、そのゲージにピンを打って、出来上がりのイメージを近づけるため、下記のようなピンクッションも必要になってきますね。
*上記ピン打ちは、短く、細く、する場合に使用するもので、例えば、ゲージより着丈を短くしたい、ジャケットのお腹周りをもう少し詰めたい、スラックスのワタリやヒザを細くしたい、などのときに詰める分量分ピン(針)を打って着心地とシルエットを確認する行為です。
こちらのクッションの下についている金具部分を開いて、腕に挟む定番のピンクッションでしたり、
上記ピンクッションは、黒色のバンド部分が、巻き付きタイプになっており、通常は真っ直ぐ平らなのですが、腕にパシッと当てると画像のように巻き付き、腕が細い方や太い方、どなた様でも対応可能なサイズフリーなピンクッションです。
と、道具だけでも盛り沢山ですね。上記商品はBtoBのアパレル資材サイト「ApparelX」にて販売しておりますので、こちらも合わせて御覧ください。登録はほんの1分で出来ます。
それでは、本題の採寸のやり方についてお話したいと思いますが、ここでは最重要採寸箇所をしっかりと押さえてもらうため、こちらに絞ってお伝えさせていただきます。
◆採寸箇所◆
まずは、ヨコの基本寸法である「三元寸法(サンゲンスンポウ)」から参りましょう。
-三元寸法
・胸回り(バスト): 脇の下いっぱいに上げた位置にメジャーを廻し、水平位を確かめて寸法を測ってください。多くの場合、バスト寸法により、パターンを選定するので、特に正確に測ってください。
・腹回り(中胴): ”気を付け”をした状態で、腕の肘の部分から胴に水平移動したお腹回りを水平位を確かめて寸法を測ってください。こちらは上着のボタンを留める位置の寸法となり、スラックスのウエストとは違いますのでご注意ください。
*ジャケットウエストとパンツウエストを同じ寸法で扱うやり方もあります。
・尻回り(ヒップ): お 尻の一番出ている部分を水平に一周し測ってください。
-その他重要箇所
・総丈: タテの最重要箇所になります。衿の付け根(首下の骨)より背中央に沿って靴のかかと迄(靴のかかとの厚みは測らない)を測ってください。こちらは着丈(上着丈)や袖丈を割り出す参考数値となりますので、必ず測っておきましょう。
・上衣丈: 総丈の1/2を基準とし、お客様の好みと肥満、胴長の人はお尻が隠れるまで長めに測りましょう。
・肩巾: 現在着用の上衣丈を参考にし、肩からの線、腕から上る線の交点が一応の基準となります。
・裄: 手の長さの右、左の違いを知るために測り、測り方は背の衿付中央から肩線を通って手首のくるぶし下まで。
・袖丈: 肩先のポイントよりパット量1.0cmをみて、くるぶし下まで左右採寸。
・パンツウエスト: ベルトを緩め少し下げて、ベルトを締める位置にて一周測る。
・股下: スラックスをグッと上げてもらい、股間から内股に沿って靴のかかと迄測りそれより2.0cm引く。
・渡り巾: 太もも回り一周を測り、10cm足すのが一つの目安です。
まずは、上記の「三元寸法」とその他の重要箇所をスムーズに測れるようになるといいですね。慣れるまでは会社スタッフ、ご家族、ご友人など気心知れた人たちに練習台になってもらい、何度も測られることをオススメします。なお、測り方の順番としては、記載の順(三元寸法から総丈~渡り巾まで)通りに測っていただければと思います。
これで、メジャーを使用しヌード寸法を測れるよになりました。
次は、出来上がりのスーツの測り方をお伝えさせていただきます。こちらを知っておくと、例えば、お客様のお気に入りのスーツの寸法を採る、オーダー後工場から上がってきた商品を検品する、など色々と活用出来ますので、知っていて損はございません。
◆出来上がりスーツの採寸方法◆
-上衣(ジャケット)
・肩巾: 左右の袖山頂点間を、衿付け根を通り自然なカーブを描くように測ります。
※肩線が後ろに振ってる場合には、袖山頂点での採寸をお願いします。
・着丈: 背縫目とカラークロスがぶつかるところから垂直に下ろして測ります。
・袖丈: 袖山頂点から袖口の中心まで下ろして測ります。
・ラペル(衿)巾: 返り線から直角に衿先まで測ります。
・半胴: ウエスト絞り位置を目安にハナから前身線より垂直に背中心まで測ります。
*こちらは工場により、ハナからかボタン留め位置からか違いますので、注意が必要です。
-下衣(スラックス)
・ウエスト: 前カンを留め、帯の端から端まで水平に測ります。
・股下: 股グリより、内股縫い目線を裾まで測ります。先程のヌード寸法を測るときには股間にグッとメジャーを当てなければなりませんので、出来ればゲージを履いていただき、ピンをして、脱いでもらい、それを測るか、もしくはお気に入りのスーツを測るか、のほうが安心ですね。
・渡り巾: 股下を股グリまで上げ、上げた側の前端から後端まで水平に測ります。
・ヒザ巾: 裾を股グリに合わせるように折り、折り線から約5cm上を折り線に水平に端から端まで測ります。
*こちらも工場により、ヒザの位置が異なりますので、事前にご確認してください。
-中衣(ベスト)
着丈: 背縫線と衿ミツ下がぶつかるところから垂直に下ろして測ります。
・半胴: ウエストの一番くびれている位置のハナから前身線より垂直に背中心まで測ります。
もちろんこの他にも、袖口巾や裾巾、ボタン間など数え上げたら切りがないですが、とりあえず押さえておきたいポイント箇所をお伝えさせていただきました。
◆まとめ◆
いかがでしたでしょうか。
まだまだ不完全な部分もございます(例えば体型補正など)が、それを言っていてはなかなか前には進みません。まずはその壱でお伝えしましたオーダーのメリット(改めてお伝えすると、在庫リスクの軽減、顧客満足度の向上、顧客層の拡大など)を受けるため、この採寸のポイントを踏まえ、一歩前に進んでみるのはいかがでしょうか。
ご不明な点やご質問がございましたら、何なりとお問い合わせください。
貴店のオーダー開始のお手伝いができれば光栄でございます。
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