EXCY FORMAL NEWS担当の洲鎌です。今回は蝶ネクタイの歴史についてふれて見ました。
蝶ネクタイ誕生の歴史をたどると17世紀のフランスルイ14世の警護のためにフランスに駐留していたクロアチア軍の兵士が首に巻いていたスカーフを、ルイ14世が興味を示し、側近の者に「あれは何だ?」と尋ねたところ、側近の者はクロアチアの兵士について尋ねられたと勘違いし、「クラバット(クロアチア兵のこと)でございます、閣下」と答えたことから、その布のことをクラバット(cravate)と呼ぶようになったという逸話があります。
17世紀後半に襟元の装飾品としてネクタイの原型と言えるクラバットがフランス国王ルイ14世によってフランスの貴族や一般の市民に広がりました。更にヨーロッパ各地に広がっていき形も少しずつ変化してゆきました。そして1850年代英国でクラバットが変化して蝶ネクタイが誕生したと言われています。また英国に伝わったクラバットはネクタイと呼ばれるようになったと言われております。
当時の蝶ネクタイはネクタイの結び方を変化させ蝶のように結ぶスタイルが主流でした。ネクタイの剣先は大剣と小剣で先の部分の幅が違いますが蝶ネクタイは左右の先が同じ太さでネクタイと同じように一本のひも状になっていました。アガサクリスティーの作品に登場する名探偵ポアロの首元をみると彼の蝶ネクタイの首もと部分が現在主流の蝶ネクタイに比べ太くなっていることも時代の面影が垣間見えてとても興味深く感じます。
現在、蝶ネクタイは様々な種類が誕生しており自分で結ばなくても簡単に装着できるタイプが主流で素材も正式なタキシード用の黒の拝絹地や燕尾服に使用するコットンピケのタイプやシルクジャガード、ウール、リネンなど様々な素材や、剣先が尖ったポインテットボウ、ストレートなデザインのスクエアー、少し幅広のバタフライなと様々な種類があり共生地のポケトチーフやカマーバンド、ベストなどと組み合わせて幅広い着こなしが楽しめる無くてはならないアイテムの1つとなりました。
現在でも自分で結ぶ手結びタイプもありますが18世紀の蝶ネクタイとだいぶ変化しており首元の部分も幅が細くなっており結びやすくなっております。ネック部分に調節用の金具が付いている手結び蝶ネクタイもありさらに容易に結べて形も綺麗に整えることができます。ただ、個人的には18世紀のタイプの蝶ネクタイを結んでみたいと思っております。