こんにちはEXCY FORMAL NEWS 担当の洲鎌です。今回はアスコットタイ、蝶ネクタイ、ネクタイ、ユーロタイ等のネックウェアに関して書いてみたいと思います。
現在存在するネックウェアの原型となったクラバットの誕生
17世紀のフランス、ルイ14世の警護のためにフランスに駐留していたクロアチア軍の兵士が首に巻いていたスカーフを、ルイ14世が興味を示し、側近の者に「あれは何だ?」と尋ねたところ、側近の者はクロアチアの兵士について尋ねられたと勘違いし、「クラバット(クロアチア兵のこと)でございます、閣下」と答えたことから、その布のことをクラバット(cravate)と呼ぶようになったという逸話があります。
17世紀後半に襟元の装飾品としてネクタイの原型と言えるクラバットがフランス国王ルイ14世によってフランスの貴族や一般の市民に広がりました。更にヨーロッパ各地に広がっていき形も少しずつ変化してゆきました。
アスコットタイの誕生と変遷
アスコットタイの名前は英国バークシャー州アスコットのアスコットヒース近くにある有名なアスコット競馬場に由来しています。アスコットでは300年以上にわたって、競馬界で重要で美しい装いのイベントの一つであるロイヤルアスコットレースが開催されてきました。現在でも、ロイヤルアスコットは非常に厳格なドレスコードで知られておりますが、19世紀レースを楽しむ殆どの紳士達は、正礼装でアスコットタイを着用していたようです。
昼の正礼装に着用するアスコットタイですが、1930年代頃になるとスカーフのようにソフトに首に巻く為のカジュアルなアスコットタイが登場し、これまでの正礼装に合わせるアスコットタイとは違い柔らかな薄いシルク素材で柄も様々なプリント柄があり以前のアスコットタイと区別する為、デイ・アスコットと呼ばれよりカジュアルで気楽な着こなしに用いられるようになりました。
実はアスコットタイのカジュアル化は近年のロイヤルアスコットレースに大きな変化をもたらすことになります。2012年以降、ロイヤルアスコットレースでアスコットタイを着用することは、規定されたドレスコードに反しているとされ、イングランドではアスコットタイはネクタイよりカジュアルなアイテムであると扱われることもあり、現在ロイヤルアスコットレースではアスコットタイの姿は殆ど無くなりモーニングコートにネクタイの組み合わせが主流となっております。
蝶ネクタイの誕生
1850年代英国でクラバットが変化して蝶ネクタイが誕生したと言われています。また英国に伝わったクラバットはネクタイと呼ばれるようになったとも言われております。蝶ネクタイが先かネクタイが先か正確なことは不明ですがいずれにせよどちらの起源も17世紀フランスのクラバットにあり更に遡ればクロアチア兵達の首もとのスカーフが起源です。
当時の蝶ネクタイはネクタイの結び方を変化させ蝶のように結ぶスタイルが主流でした。ネクタイの剣先は大剣と小剣で先の部分の幅が違いますが蝶ネクタイは左右の先が同じ太さでネクタイと同じように一本のひも状になっていました。アガサクリスティーの作品に登場する名探偵ポアロの首元をみると彼の蝶ネクタイの首もと部分が現在主流の蝶ネクタイに比べ太くなっていることも時代の面影が垣間見えてとても興味深く感じます。
ユーロタイの本当の名前は?
メンズフォーマルにユーロタイが使われ始めたのは私の記憶では今から25年以上前からです。当時は現在ほど主流ではなく、個性派のフォーマルな装いに合わせている程度でした。また現在のユーロタイより首元のプリーツがゆったりとしておりました。当時私が始めて見たユーロタイ(その頃はバロックタイと呼ばれていました)はイタリアの斬新なメンズフォーマルブランドCARLO PIGNATELLI(カルロ ピニャテッリ)製のタイでした。そのタイはおそらく中世の頃の古い物と当時の新しい感覚をミックスしてデザインされたのだと想像します。CARLO PIGNATELLI(カルロ ピニャテッリ)のタイが日本に入ってきて、そこからヒントを得た日本のフォーマルメーカー(弊社も含め)が現在の形のユーロタイを作り日本のフォーマル市場に広がっていきました。このユーロタイのネーミングはおそらく日本で出来た造語だとおもいます。実は私も最近調べて分かったのですがユーロタイの原型はスコットランドを起源とするRuche Tie(ルーチェタイ)のようです。
クロアチア兵のスカーフから時代を経て様々なネックウェアに変化する様子を現在まで見ていくととても興味深いことが沢山ありますね。今後もっと掘り下げて調べてみたいと思います。
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