こんにちは。EXCY FOROMAL NEWS担当の洲鎌です。ブライダル衣装関連のお仕事で実際に接客をされるスタッフの方々で、未だ経験の浅い場合、正式なフォーマルのルールや衣装に関しての知識を覚えるのは以外に面倒なこともあると思います。私自身がメンズフォーマルアクセサリーを専門に扱っておりますので今回はメンズフォーマルアクセサリーをメインに書かせていただきたいと思います。
目次
メンズフォーマルアクセサリーの種類
タキシード用のシャツ
まずタキシード用のシャツですが白で衿はウイングカラーかレギュラーカラー、日本では
ウイングカラーが一般的です。前身頃にはプリーツが付いています(フリルやイカムネでもOK)
前立て部分が表前立ての場合はスタッドボタンと呼ばれる飾りボタンを付けるのが最も正式なタイプです。スタッドボタンを使用するためシャツの前立て部分の第2ボタンホール~第4ボタンホールにはボタンは付いておらず、ボタンホールにスタッドボタンを装着して使用します。実際にシャツの現物を見ることで理解が深まります。※スタッドボタンについては後ほど紹介いたします。
スタッドボタンを使用しない場合は前立て部分のシャツボタンが見えないように比翼タイプのシャツを使用します。
では、何故シャツのボタンを見せてはいけないのでしょうか?
これは諸説有りますが、西欧の歴史でシャツは下着として扱われて来ました。フォーマルな場において女性に下着のボタンを見せることは大変失礼にあたり ボタンを隠す為に使用されたのがスタッドボタンです。
モーニング用のシャツ
次にモーニング用のシャツの場合、前身頃に飾りが無いシンプルな白いシャツが正式です。衿はウイングカラー、レギュラーカラー、どちらでもOKです。
但しアスコットタイを着用する際はウイングカラーが正式となります。
前立て部分は表前立て、比翼のどちらでもOKです。(スタッドボタンは不要)
では何故モーニング用のシャツはタキシード用と違いシャツのボタンが付いていても良いのでしょうか?
答えは合わせる小物に関係してきます。タキシードを着用する場合基本は蝶ネクタイとカマーバンドを合わせますのでシャツの前部の見える面積が大きい為プリーツ等の飾りや、スタッドボタンが必要となります。対してモーニングコートにはベストと結び下げのネクタイやアスコットタイを合わせますので、前部分は殆ど隠れてシャツの前部分もあまり見えない為です。
その他のフォーマルシャツ
上記のタキシード用シャツやモーニング用シャツは正式なルールー通りのシャツでしたが、実際の結婚式の衣装では必ずしも完璧なルールに拘りすぎる必要は無く、素材感の違うカジュアルなテイストのシャツを取り入れることも良いと思います。正式なルールーはフォーマルな衣装を取り扱い接客をする立場においては知っておくべきだと思います。また、ルールブック等で学ぶことも良いのですが実際の商品を見て手にとって知ることがより理解が深まっていくと思います。
カフス&スタッド
スタッドボタンは夜の正礼装のタキシードと燕尾服のシャツに使用する飾りボタンです。基本的にカフリンクスとお揃いで使用します。最も基本的な種類はオニキス、黒蝶貝、白蝶貝です。タキシードにはオニキス、黒蝶貝など黒系のものを使用します。燕尾服には白蝶貝(稀に白真珠)などの白系のものを使います。例外的にご新郎とかが着用する白いタキシードの場合は白蝶貝でもOKです。台座は真鍮や純銀などで、色はシルバーやゴールドでデザインは丸や四角、八角形などがありこちらはお好みで構いません。以上が基本的なスタッドボタンです。
※スタッドボタンの付け方に関しては、弊社の福田のブログ【タキシードシャツに必要なEXCY FORMALのスタッドボタンの付け方】で詳しく説明しておりますのでそちらをご覧下さい。
蝶ネクタイ&カマーバンド
タキシードに合わせるアクセサリーとしてカフス&スタッドと共に蝶ネクタイとカマーバンドがあります。蝶ネクタイとカマーバンドに関してはデザイン、素材、色柄と非常に多くの種類がございますが、今回は最も基本的な光沢感のあるサテン素材の無地のアイテムに絞ってご紹介させて頂きます。
無地の蝶ネクタイ、カマーバンドの素材は光沢感がありある程度の厚みのある拝絹地(ハイケンジ)と呼ばれるタキシードの衿に使われる高品質な素材が適しております。蝶ネクタイの形としてはサイドが真っ直ぐなスクエアー、サイドが三角に尖った形のポインテッド、実際に結んで使用する手結びタイプの3種類が基本形となります。それ以外にも幅や長さ、凝った形状のタイプもありますが、ここでは基本形の紹介になります。色は黒、ネイビーが一般的ですがエンジやグレーもオススメです。蝶ネクタイとカマーバンドはお揃いの生地で揃えるのが基本のコーディネイトです。カマーバンドはヒダを上向きにして着用するのが正しい巻き方です。
蝶ネクタイは形が出来上がっておりスライド金具で首周りのサイズを調整してヒモを首に巻きつけ金具を引っ掛けるだけで装着できるタイプが主流ですが、拘りのあるお客様の中にはご自身で結んで使用する手結びタイプの蝶ネクタイを望まれる方もいらっしゃいますので店舗で接客するスタッフの方は結び方を覚えておくとお客様からの信頼度もUPしますので是非覚えていただければと思います。
サスペンダー
サスペンダーはタキシード、モーニングコート、フロックコートなどフォーマルな装いに必須なアクセサリーの1つですので、ある程度の知識は必要不可欠となります。
タキシード、モーニングコート共に必ずサスペンダーを使用しますのでパンツのベルトループは不可です。只、最近のご新郎の衣装のカジュアル化でハーフパンツやスーツスタイルもありますので、あくまで正式なタキシードやモーニングコートのパンツに関するルールとして覚えておくと良いと思います。
レンタル衣装店様の場合レンタル用のサスペンダーは黒か白の細めの無地でクリップ式が殆どだと思います。実は同じ用に見えてもクリップによって品質に差があります。安価なクリップを使用したサスペンダーの場合クリップの内側にクッションが付いておらず挟む部分の金具でパンツの生地を傷める原因となりますので、多少価格が上がってもクリップの内側にクッションが入っているサスペンダーを使った方が衣装を長持ちさせ、結果的に経済的です。
最近の傾向としてはレンタル用のサスペンダーではなくてアルバートサーストンなど海外の高品質のサスペンダーを希望されるお客様も増えてきているようですので、販売用として揃えておくと他のショップと差別化ができ、お客様にも喜ばれることもあります。
アームバンド
レンタル衣装店様で取り扱っているフォーマルシャツの場合、レンタル用、販売用共に在庫を減らす為にシャツの裄のサイズがかなり長めになっていることが多いと思います。その為アームバンドは袖の長さ調整の為に必須のアイテムです。一般的なレンタル衣装店様で取り扱っているアームバンドはシンプルな黒や白の無地で輪型のタイプです。
ガータータイプのアームバンド
輪型タイプのアームバンド
タキシード用シューズ
正式なタキシード用のシューズはエナメル素材でデザインはオペラパンプスやストレートチップ、プレーントゥなどです。何故エナメル素材を合わせるのかは歴史的な背景があり、西欧文化の影響を大きく受けております。中世欧米の社交の場では男性は主に燕尾服かタキシードを着用し女性たちとダンスを踊っておりました。女性達の装いはロング丈のイブニングドレス。ダンスを踊る際に靴墨で女性のドレスを汚さない為に靴墨が不要なエナメルシューズを履いていたという説が最も有力です。フォーマルウェアの進化がこのような他者への気遣いから出来上がっていったのはとても素敵なことだと思います。豆知識として覚えておくとお客様との会話の際に役に立つかもしれませんね。
ちなみに昼の正礼装のモーニング、準礼装のディレクターズスーツの靴はエナメル素材はタブーで、カーフ素材等の黒の内羽式のストレートチップが正式です。
まだまだ、書ききれていないアクセサリーもございますが、基本的なアイテムは押さえてお伝えさせていただきました。ルールや商品等、どんなことでもお気軽にお問い合わせ下さい。
そのほか、法人様でフォーマルアクセサリーについてのOEM/ODMや、大口ご注文での別途お見積り依頼、営業担当からのご連絡をご要望の場合は、こちらよりお気軽にお問い合わせください。
または、上記でもご案内させていただきましたBtoBのアパレル資材サイト「ApparelX」も合わせてご覧ください。
個人様でフォーマルアクセサリーのご購入をご検討の方は、こちらの公式オンライストアをご利用くださいませ。
または、商品紹介や取扱店舗など、随時更新しております、ブランドサイト「EXCY FORMAL」も覗いてみてください。