毎度お世話になっております。EXCY FORMAL NEWS編集部の山佑です。
2021年もまもなく1ヶ月が過ぎようとしています。早いですね。まさに激動の1年がスタートしたわけですが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
さて今回のブログは、過去ブログ(「正統派タキシードからファンシータキシードまで_在庫リスクゼロのオーダーというご提案」)で吊るしの既製品ではなく、オーダーすることで、在庫リスクを最小化し、顧客満足度を最大化する、といったお話をさせていただきました。
しかし!!
やはり”オーダー”と聞くと、「ややこしそう」、「難しそう」、「出来上がりが失敗したらどうしよう」、「イメージ通りにできるのかしら」など、マイナスのイメージをお持ちの方も多いかと思います。
そのお気持ち、重々理解させていただいております。今まで、あまりメジャーを持つ機会も少なく、いきなりオーダーと言われても尻込みしてしまうのは当然ですよね。
なので、本ブログでその不安を少しでも解消できるように、注意点やテクニカルな部分を2回に分けてお届けさせていただきます。こちらを読まれた皆様が、オーダーに挑戦し、プラスの効果をご享受いただければ、そんな嬉しいことはありません。
*なお、本ブログでは、縫製する場をイージーオーダー工場をメインにお伝えさせていただきます。
まずは、どのようにお店でオーダーを取るかの手法を3つのタイプに分けて表にまとめてみました。
オーダータイプ早見表
それでは順に見ていきましょう。
1. すぐ実現タイプ
説明欄に記載の通り、現在お店でお持ちのスーツ(サンプルやサイズ見本服=ゲージと呼ばれる服)や、それがあまりない場合、最終消費者の方にお気に入りのスーツを着用してご来店いただき、それを着用してもらいなが、寸法を取る方法です。
ゲージ服は上記により、新たに作成することはないですが、そのオーダー工場のスーツ(もしくはタキシード)のサンプル商品は、必要でしょう。工場によって型紙が変わりますので、視覚的な部分で押さえておかなければいけませんね。
ですので、デメリットにありますように、実際にオーダーする工場と、現在使用されている工場(もしくは衣装メーカー)との製品の*着心地*の違い、例えば、寸法では出ない「肩に入った感じ」や「胸のゆとり」、スラックスの「ヒップから太ももでのライン」などがございます。
*着心地*とあえて強調しましたのは、デザイン線的な、ゴージラインの角度や、上衿の大きさ、フロントカットのカーブ、肩周り、などは、上記でお伝えしたようにオーダー工場のサンプル品があれば、ある程度は伝えられるからです。
メジャーリング技術=採寸技術は、着用していただくスーツが有り(前提)ますので、”その弐”で説明します重要な箇所の採寸をしっかり採り、あとは出来上がりのスーツを測れる技量があれば、とりあえずは大丈夫です。
*出来上がりスーツの測り方も”その弐”でご説明致します。
2. バランス良タイプ
ゲージ=サイズ見本服、を事前に準備し、それを着用頂きながら、寸法を取る方法です。全国でチェーン展開している多くのオーダースーツ専門店がこの手法でしょうか。
「バランス良」と名付けたのは、商品イメージ、着心地、がダイレクトに最終消費者に伝わり、出来上がりのイメージまで確認できる部分と、メジャーリング技術が3のテクニカルタイプと比較すると、習得までの時間がかなり削減できる部分があるからです。
やはり、安心してオーダーできる、ということが顧客満足度に繋がりますよね。
デメリットは、記載通りで、どこまでのサイズでゲージを揃えるかによって、コストは大きく変わってきますが、*イタリアンサイズ*で言うところの、42~52で6着、もう少し広げて40~54で8着といったところでしょうか。
*メンズスーツではS,M,Lではなく、よくこのイタリアンサイズが使用されます。
あとは、ベストを追加したり、スラックスのプリーツ(タック)の本数を変えたものを同サイズで追加したり、といった具合でコストは上がってきます。
ここは、たくさん作成すれば、幅広い体型の方をカバーできますが、作成費用もそうですが、それをストックする場所も広く必要になってきますので、資金面や店舗スペースを考慮した作成をおすすめします。
当社でお受けする場合、4~8着のゲージを作成される場合が中心ですかね。
3. テクニカルタイプ
店舗にオーダー経験者がいらっしゃる場合は、大いに有りかと思いますが、ゼロからのスタートということであれば、デメリットで記載したように、技術習得までじっくり時間をかけたほうがよろしいかと思います。
メジャーだけで採寸し、最終消費者を不安にさせない、テクニックとスピード、そして商品イメージをしっかりと伝えれる話術も必要になってきます。
しかし、これを習得し、こなせることができれば、メリットも多分にあるので、時間とやる気と相談ですね。
ゲージ作成の注意点
つぎに、「よし、バランスタイプの2でいこう」とお考えになられたときに、ゲージを作成することとなります。ここでは、その際のポイントをまとめてみました。
まずは、上記でもお伝えしておりますが、どのくらいの量(サイズ)を作成するか、が重要になってきます。例えば、EXCY FORMALのタキシードを縫製している工場(もちろんオーダー工場です)は、下記のようなサイズ展開をしています。
なお、こちらは一部でして、一番左端の”J”と記載がございますので、体型(DROPとも言います。バストとウエストの差寸の量です)を表しておりまして、Jの他に、Y、A、AB、BE、O、と全6体型あり、それぞれの体型で、その一つ隣の”号”にて、0~15号の16有り、6体型 X 16で、合計96サイズの展開がございます。
これは、それぞれのオーダー工場によりますが、上記のサイズ展開は、かなり多いほうだと言えると思います。
さて、その各工場のサイズ表から、貴店が考えるサイズの幅でセレクトする必要があります。
そしてサイズが決まったら、あとは、
- 生地の選定
- デザインの選定
- 附属(資材)の選定
といった流れでしょうか。
生地に関しては、やはりゲージですので、丈夫な生地がおすすめです。例えば、細番手の単糸 X 単糸の生地などでは、折り返したり、ピンを打ったりしたら、シワや穴が目立ち、取れません。やはり打ち込みの強い双糸 X 双糸の生地がいいかと思います。
また、柄につきましては、無地のものが多く、一般的ではありますね。
ですが、ストライプやチェック柄が入っているゲージでも、問題ございません。(逆に反身体や屈身体などの癖のある体型を見つけやすくする効果があります)
次のデザインは、こちらは一般的なスーツの仕様が良いと思います。
タキシードはサンプル品でご覧いただき、ゲージはあくまで”サイズを取る”に特化すべきです。*タキシードは、通常のスーツと比較すると工賃が割高になりますので、コストがかさんでしまいます。
一般的というのは、「シングル2つボタン、ノッチドラペル、ナチュラルショルダー、ノータック(ワンタックも可)」、といったデザインの中に、ゲージならではとして、ジャケットの袖ボタンは付けないで「しつけ止め」にするや、スラックスの裾口はアンフィニッシュ(ハーフ仕上げ)にする、などがあるのでお忘れなく。
そして、最後に附属(ふぞく)である、ボタン、裏地ですね。
こちらもデザイン同様、あまり目立つものではなく、自然な感じが良いでしょう。
また、どちらも素材は、その縫製する工場、もしくは貴店のメインとする素材にするほうが、特に裏地は、着心地が同一化するので尚良しですね。
(例えば、裏地はキュプラの素材をメインに使おう、と考えたのであれば、ゲージの裏地もキュプラを使用する、といった具合です)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まずはオーダーを取る前の段階をご説明させていただきました。
その弐では、いざ採寸に向けての「ここだけはおさえておきたいポイント」をメジャーリングと体型補正の2点からお伝えしていこうと思います。
そのほか、法人様でフォーマルアクセサリーについてのOEM/ODMや、大口ご注文での別途お見積り依頼、営業担当からのご連絡をご要望の場合は、こちらよりお気軽にお問い合わせください。
または、上記でもご案内させていただきましたBtoBのアパレル資材サイト「ApparelX」も合わせてご覧ください。
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