こんにちは。EXCY FORMAL NEWS担当の洲鎌です。今回はタキシーの歴史について書いてみたいと思います。
タキシードの誕生に関しては諸説ございますが、その中の1つとして、タキシードは1865年、流行に敏感なエドワード7世によって、よりフォーマルな燕尾服の代わりとして登場したと言われております。
タキシードが誕生したのは、ニューヨークのタキシード・パークで開催されたオータム・ボールに出席したアメリカの富裕な貴族たちによってだとする説が多いようですが、ウォールストリート・ジャーナル紙によると、実はこの衣服は1865年にエドワード7世(当時のプリンス・オブ・ウェールズ)にまでさかのぼるのだそうです。
現在も営業しているサヴィル・ロウのテーラー、ヘンリー・プール&カンパニーが、ラウンジスーツよりもフォーマルだが、燕尾服のようには装飾がないアンサンブルを製作し王子に着てもらいました。(それは王子がダイニングルームやカジュアルな場で着用できるものであったようです)。殿下は上着とそれに合わせたパンツを注文しその衣装がタキシードの始まりとの説もあります。
1886年、大富豪のジェームス・ブラウン・ポッターとその妻コーラが、英国旅行中に皇太子に紹介されたディナージャケットがアメリカに持ち込まれたのをきっかけに20世紀初頭には、タキシードはアメリカで一世を風靡したました。
20世紀初頭には、ディナージャケットの人気が高まり、フォーマルな場でも頻繁に着用されるようになり黒のアクセサリーやピークドラペルも人気が出てきました。
1930年代になると、ブラックタイ(タキシード)は事実上のイブニングウェアとなり、ホワイトタイ(燕尾服)は特別なイベントにのみ用いられるようになりました。
アガサクリスティー原作の名探偵ポアロでは1920年代から1930年代のイギリスを舞台にした物語でこの頃と時代背景が近いので登場人物の衣装を見ているだけで大変興味深く勉強になります。
1935年にはミッドナイトブルーのタキシードが流行し、ブルーのタキシード用ウールを生産する工場の数がブラックのタキシード用ウールより多くなっていたようです。
それまでカジュアルすぎるとされていたダブルブレストのタキシードジャケットも、この時期に爆発的な人気を博し、暖かい気候や季節には、白いタキシード・ジャケット(黒のパンツとのコントラスト)が受け入れられるようになりました。
第二次世界大戦後、アメリカはタキシードが主流ではなくなり男性はタキシードの代わりにスーツを着て、夜の街に繰り出すようになります。またホワイトタイ(燕尾服)は、殆ど姿を消しました。
1950 年代になると、タキシードは再び復活しました。ポリエステルなどの新素材を使用したりデザイン的にもより短くフィットしたジャケットなど、いくつかの変化で新しく生まれ変わりました。
その後ホワイトタイ(燕尾服)は完全に廃れ、ブラックタイ(タキシード)が映画のプレミア上映や上流社会のイベント、さらには結婚式でも標準的なスタイルとなります。
1970年代タキシードは、ディスコのイメージで大きく変化していきます。若い革命的な世代は、タキシードの保守的なスタイリングを見て、ほとんどすべてを捨て、曖昧なシルエットだけを残しました。
巨大な蝶ネクタイ、カラフルな柄のジャケット、フリルやレースのついたシャツ、ベルボトムのようなパンツが主流になり70年代の典型的なタキシードは、すべてとは言わないまでも、少なくともこれらの要素を備えているのが普通でした。
1980年代になると、タキシードはクラシックなスタイルが再び登場するようになり、以前のブラックタイ(タキシード)が復活します。
2000年代後半になると、ドレスコードが希薄化し、フォーマルウェアは大きく変化していきます。
ドレスコードはビジネスカジュアルが主流となり、ファーマルな場では光沢のあるブラックスーツとそれに合わせたネクタイ等が、伝統的なブラックタイに取って代わるところとなります。
現在では、ドレスコードを重視した時代とは異なりフォーマルだけではなくビジネスシーン、カジュアルシーンにおいても様々なファッションが登場し夫々の個性が尊重されるようになって来ました。
しかしながら、クラッシックなフォーマルスタイルは多少の変化は続いていくでしょうが、完全になくなることは無いと思っております。
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